仕事で毎日使っているSharePoint(会社のファイル置き場)が、とにかく使いにくい。そこで、プログラミング未経験の私が、AIに相談しながらMicrosoft Edgeの拡張機能を作って、Edgeのストアに出すところまでやってみました。
結論:未経験でも、AIと一緒なら作れた。費用は0円
ストアの審査は、私の場合、朝に出して昼には通りました。ただし、作ったものは専門家のチェックを受けたわけではない、個人の非公式な拡張機能です。
ブラウザでSharePointのファイル置き場を開くと、毎日じわじわ効いてくる不便が3つありました。
- ひとつ上のフォルダに戻れない:エクスプローラーのAlt+↑のようなショートカットがない
- 左にフォルダのツリーがない:今どこにいるのか、ほかのフォルダに移るにはどうするのかがわかりにくい
- Excelがブラウザで開く:いつものExcelのアプリで開きたいのに、毎回ブラウザ版が立ち上がる
先に試した方法は、全部ダメだった
まずは、Windowsの機能でなんとかしようとしました。
| 試したこと | 結果 |
|---|---|
| OneDriveへのショートカットの追加 | エクスプローラーに出てくるのはリンクだけで、開くとやっぱりブラウザ |
| 「同期」ボタン | そもそもボタンが表示されない(会社の設定と思われる) |
| ネットワークドライブの割り当て | 「アクセスが拒否されました」で接続できず。設定は元に戻しました |
会社のパソコンの設定は、自分では変えられないことが多いです。そこで発想を変えて、「ブラウザの側で直せばいい」と考えました。
ブラウザの「拡張機能」とは
拡張機能は、Edgeなどのブラウザに、あとから機能を足すための小さなプログラムです。広告ブロックや翻訳など、使ったことがある人も多いと思います。
- 自分で作ったものは、Edgeの「開発者モード」で読み込めば、自分のパソコンで使える
- ストアに出して審査に通れば、ほかの人もワンクリックで入れられる
- ページの見た目や動きを変えられるので、サイト側の不便をブラウザ側で補える
AIに相談しながら作った流れ
作ったのは「SharePoint フォルダツリー」という拡張機能です。プログラムはAI(Claude)に書いてもらい、私は「こうしたい」「ここが動かない」を伝えて、動きを確かめる役でした。少しずつ機能を足していきました。
| 版 | できるようになったこと |
|---|---|
| 1 | Alt+↑で、ひとつ上のフォルダに戻る |
| 2.0 | 左にフォルダツリーを表示する |
| 2.1 | ページを開き直してもツリーが消えないように、一覧と開き具合を保存 |
| 2.2〜2.3 | Excelのファイル名をクリックすると、Excelのアプリで開く |
| 2.4 | PDFのファイル名をクリックすると、ダウンロードする |
| 2.5 | アイコンとライセンスを追加(ストアに出すため) |

つまずいたところ
- ツリーが毎回消える:フォルダを移るたびにページが読み込み直されるので、フォルダの一覧と、どこを開いていたかを保存して、すぐ表示するようにした
- Excelがやっぱりブラウザで開く:クリックを拾う仕組みを作り直した。拾えたかわかるように、右下に「Excelで開いています…」と出すようにした
- ツリーのスクロール位置が勝手に動く:位置も保存して直した

AIに頼むときに、うまくいったこと
- 困っていることを具体的に伝える:「Alt+↑で上のフォルダに戻りたい」のように、やりたい操作で伝える
- 動かないときは、起きたことをそのまま伝える:「ブラウザで開いてしまう」「ツリーが消える」など
- 一度に1つずつ直す:まとめて頼むより、どこで壊れたかがわかりやすい
- 動いた版を残しておく:新しい版で壊れても、前の版に戻せる
できなかったこと
- PDFを、ダウンロードせずにAcrobatで直接開く:SharePointのファイルはログインが必要な場所にあるので、Acrobatが直接開けず、無理でした。かわりに、ダウンロードして、Edgeの設定で「この種類のファイルを常に開く」にする方法で近づけました。ダウンロードフォルダにファイルがたまるのは嫌ですが、そのまま使っています
- 別ウィンドウが一瞬見える:後で書く、もう1つの拡張機能のほうの話です。仕様なので受け入れました
ついでに、もう1つ作った
サイトによっては、リンクを押すと別ウィンドウが開きます。これを元のタブの隣の新しいタブに移す「別ウィンドウをタブで開く」という拡張機能も作りました。経費精算や銀行のサイトなどで、動くことを確認しています。こちらは、まだストアには出していません。
ストアに出すまで
せっかくなので、Microsoft Edgeの公式ストア(Edge Add-ons)にも出してみました。
- 開発者アカウントを登録(Partner Center。個人で登録でき、費用は0円)
- 拡張機能のファイル(zip)をアップロード
- プライバシーの設定:何のデータを集めるか、プライバシーポリシーのURLなど
- ストアに載せる説明・画像を入力
- 審査の担当者向けのメモを書いて提出
開発者アカウントの登録
Partner Center(Microsoftの開発者向けの管理画面)で、個人として登録します。登録した直後は「アカウントがまだ確認されていません」という黄色の帯が出ます。

確認が終わると、状態がAuthorizedになります。ストアで公開されるのは発行元の名前だけで、住所や電話番号は出ません(私の場合は「poimusume」で登録しました)。

登録のときに、氏名・住所・電話番号などの入力が必要です。入力した内容はストアの公開ページには出ませんでしたが、念のため、公開範囲は各自で確認してください。
カテゴリと連絡先
カテゴリは「Productivity(仕事効率化)」を選び、WebsiteとサポートのURLには、このブログのURLとお問い合わせフォームを入れました。

出すための準備
- ライセンス:MITライセンス(自由に使ってよいが、無保証)にした
- アイコンを用意した
- プライバシーポリシー:このブログのプライバシーポリシーに「ブラウザ拡張機能について」を追記した。拡張機能は個人情報を集めず、外部にデータを送らないことを書いています
つまずいたところ
- ファイルのアップロードで、一度「Something went wrong」のエラーが出た。zipを作り直したら通った
- ストアの説明文で、言語を追加するボタンが押せなかった。自動で作られた英語の欄に、英語と日本語を両方書いた



審査メモ(Notes for certification)
提出の最後に、審査の担当者に「どうやって試せばいいか」を伝えるメモを書きます。この拡張機能はSharePointがないと試せないので、「テストにログイン情報が必要」にチェックして、試し方を英語で書きました。会社の名前やアカウントの情報は書いていません。

審査メモは、提出のたびに空欄に戻ります。更新版を出すときも、毎回貼り直す必要があります。
審査は、朝に出して昼に通った
公式には審査の目安が「営業日で7日」となっていますが、私の場合は、朝に出して、昼には通りました。その後、限定公開(リンクを知っている人だけが見られる)で出して動作を確かめ、一般公開に切り替えました。
公開範囲は、Public(ストアで誰でも検索して見つけられる)とHidden(リンクを知っている人だけが入れられる)から選べます。私は、まずHiddenで出して、自分で動作を確かめてからPublicに切り替えました。

Publicへの切り替えは、夜10時半ごろに提出しました。審査中のあいだも、それまでのHiddenの版はそのまま公開されています。

そして、日付が変わった0時6分に「公開されました」というメールが届きました。提出から約1時間半です。画面には「7営業日」の目安が出ていたので、かなり早く感じました。


審査の時間は、時期や内容によって変わると思います。あくまで私の場合です。
やってみて
毎日の小さな不便が、自分の手で解消できました。プログラミングの経験がなくても、AIに相談しながらなら、ここまで作れます。
一方で、作ったものは専門家のチェックを受けていません。また、SharePointの画面の作りが変わると、動かなくなる可能性もあります。名前にSharePointと入っていますが、Microsoft社とは関係のない、個人の非公式な拡張機能です。
2026年10月に、ストアで誰でも入れられる状態(Public)になりました。入れ方や設定は、SharePointを使いやすくするEdge拡張|フォルダツリーにまとめています。
※本記事で紹介している拡張機能は、個人が作成した非公式のものです。SharePoint、Microsoft Edgeは、Microsoft Corporationの商標です。