公開日:2026年10月31日
ある朝、SBI証券で前の晩に出しておいた信用新規売り(2万株・指値)を見ると、注文状況が「失効」になっていました。一緒に出していた現物の買いは、ふつうに約定しています。
株数の多いクロス取引(信用で売って、同じ数を現物で買う)をするつもりだったので、買いだけが残ってしまいました。なぜ失効したのか、どうすれば通るのかを調べて、翌日に試しました。
結論
・51単元(100株単位なら5,100株)以上の信用新規売りは、空売り価格規制の対象
・規制が出ていない日でも、前日終値より10%以上安い指値は取引所で失効する
・成行(寄成・引成など)はそもそも出せない
・失効が分かるのは、夜の注文なら翌朝8時すぎ。SBIからメールは来なかった
・売りの指値は「前日終値×0.9」より高くする
何が起きたか
| 注文 | 内容 | 朝の状態 |
|---|---|---|
| 信用新規売り | 2万株・指値16円 | 失効 |
| 現物買い | 2万株・指値19円 | 18円で約定 |
前日の終値は18円でした。この銘柄は、前の日に大きく下がっていたわけではなく、空売りの規制が出ていたわけでもありません。
なぜ失効したのか
SBI証券のヘルプによると、同じ銘柄で51単元以上の信用新規売りには、「空売り価格規制」のルールがかかります。100株や1,000株の売りなら関係ありませんが、株数が多いと対象になります。
このとき、注文の値段が当日の基準値段(ふつうは前日終値)より10%以上安いと、規制が出ていない日でも、取引所で失効扱いになります。注文照会には「失効(空売規制)」と出ます。
| 計算 | |
|---|---|
| 前日終値 | 18円 |
| 10%下のライン | 18円 × 0.9 = 16.2円 |
| 出した指値 | 16円 → ラインより下なので失効 |
低位株だと、1円の差でも10%を超えてしまいます。「少し下に出しておけば寄付で約定するだろう」と思って1〜2円下げると、それだけで失効することがあります。
翌日、15円と16円で試した
次の日(前日終値17円)、同じ銘柄で売りを2つ出してみました。
| 売りの指値 | 前日終値との差 | 結果 |
|---|---|---|
| 15円(テストで5,100株) | 約12%下(ラインは15.3円) | 失効 |
| 16円(2万株) | 約6%下 | 通った → 寄付で約定 |

10%のラインのとおりでした。
失効はいつ分かる?
- 前の日の夜に出した注文は、翌朝8:00以降に取引所へ送られたときに判定される
- 画面に「失効」と出るのは少し遅れる。私のときは、8:01ではまだ「注文中」、8:28には「失効」になっていた
- 前場が終わったあと(昼休み)に出した注文は、12:05以降に判定される
- SBIから失効のメールは来なかった。自分で注文照会を見るしかない
買いと売りを一緒に出しているなら、8:10〜8:30ごろに注文照会を見て、売りが失効していたら買いも取り消す。これで、買いだけ約定するのを防げます。
通る出し方
| ダメ | OK | |
|---|---|---|
| 注文の種類 | 成行・寄成・引成・IOC成 | 指値・寄指・引指・IOC指 |
| 値段 | 前日終値より10%以上安い | 前日終値×0.9より高い |
| 株数の分け方 | 50単元以内に分けて続けて出す | 分けずに1回で出す |
50単元以内に分けて続けて出すのは、規制を逃れる目的とみなされることがあると、SBI証券の「不公正取引について」のページに書かれています。分けずに1回で出します。
ほかにも知っておくと安心なこと
- 株価が前日から10%以上下がって、本当に規制が出た日(トリガー抵触)は、もっと厳しくなる。寄付前は前日終値以下の値段での空売りが全部ダメ
- ザラ場中に出した空売りも、同じ銘柄の累計の株数で判定される
- 楽天証券でも、51単元以上の信用売りは成行で出せなかった(クロス取引の注文で引っかかったこと)
ポイ娘のひとこと:信用取引は本当に難しく、次から次へと知らないルールが出てきます。私は今、当たって砕けろの気持ちでやっていますが、みなさんはルールをきちんと理解してから取引してください。
まとめ
- 51単元以上の信用新規売りは、規制が出ていない日でも空売り価格規制のルールがかかる
- 前日終値より10%以上安い指値は失効。成行は出せない
- 夜の注文の失効は、翌朝8:10〜8:30ごろに注文照会で確認
- 売りの指値は「前日終値×0.9」より高く、分けずに1回で出す
※本記事は情報提供を目的としており、投資・金融商品の購入を勧誘するものではありません。最終的な判断はご自身の責任のもとで行ってください。