公開日:2026年10月31日
ある日の昼休み、SBI証券で株数の多いクロス取引(信用で売って、同じ数を現物で買う)をしようとしました。銘柄はWIZE(3664)、株価13円です。
先に信用売りを出したら、現物を買うお金(買付余力)が足りませんと言われました。売りを取り消して、先に買い注文を出してみると、今度は信用売りのほうが「増担保」のエラーで出せません。

買い余力は100万円くらいあったのに、なぜ足りないのか。原因は、この銘柄が増担保規制の銘柄だったことでした。
結論
・増担保規制の銘柄は、信用売りの保証金の一部を現金で入れる必要がある
・しかも、保証金は値幅の上限の値段(見積価格)で計算される
・株価13円・3.5万株でも、売りだけで約47万円の現金が押さえられた
・先に買っても、売りを出すときに現金が足りなくなる
・増担保でない銘柄なら、持っている株(代用)で保証金をまかなえる
増担保規制とは
株価の動きが大きい銘柄に、取引所や証券会社が出す規制です。信用取引で入れる保証金の割合が上がり、その一部を現金で入れることが求められます。SBI証券では、注文画面に「増担保規制銘柄」と注意が出ます。
注意が出ても注文はできるので、見落としがちです(クロス取引の注文で引っかかったことでも、SBIは「注意が出るだけで注文はできた」と書いています)。問題になるのは、株数が多くて、押さえられる現金が大きくなったときです。
なぜそんなに現金が必要なのか
ポイントは2つです。
- 保証金を計算する値段が、今の株価ではなく値幅の上限の値段(見積価格)になる。株価13円なら、値幅の30円を足した43円で計算される
- その保証金のうち、一定の割合(このときは約31%)を現金で入れる必要がある

| 計算 | |
|---|---|
| 見積価格 | 13円 + 値幅30円 = 43円 |
| 信用売り3.5万株の現金 | 43円 × 35,000株 × 31% ≒ 約47万円 |
| 現物買い3.5万株(指値14円) | 14円 × 35,000株 = 49万円 |
| 合計で必要な現金 | 約96万円 |
株価13円の株を3.5万株(約45万円分)売るだけなのに、それより大きい金額で計算されて、現金が押さえられます。最初に考えていた7万株だと、売りだけで約93万円の現金が必要でした。
先に買い注文を出してもダメ
買いを先に出すと、買いの分の現金が押さえられます。そのあと売りを出そうとすると、売りに必要な現金が残っておらず、エラーになります。順番を変えても、必要な現金の合計は変わりません。
増担保でない銘柄なら、こうなる
そのあと、増担保ではない銘柄(ソレイジア・ファーマ、株価27円)で同じことをしました。こちらは、信用売りの保証金を持っている株(代用有価証券)でまかなえたので、現金はまるごと現物の買いに使えました。
| 増担保の銘柄 | 増担保でない銘柄 | |
|---|---|---|
| 信用売りの保証金 | 一部を現金で。値幅の上限の値段で計算 | 持っている株(代用)でもOK |
| 現物を買うお金 | 売りに現金をとられて減る | まるごと使える |
対策
- 注文画面で「増担保規制銘柄」の注意が出ていないかを先に見る
- 増担保の銘柄を使うなら、「株数 ×(見積価格 × 31% + 買いの値段)」くらいの現金を用意する
- 現金が足りないなら、増担保でない別の銘柄にする
割合や規制の中身は、銘柄や時期によって変わります。注文画面や、SBI証券の規制銘柄の案内で確認してください。
ポイ娘のひとこと:増担保の銘柄だと、同じ現金で、いつもの半分くらいの株数しかクロスできない計算になります。
まとめ
- 増担保規制の銘柄は、信用売りの保証金の一部を現金で入れる
- 計算は値幅の上限の値段で行われるので、低位株でも現金を大きく押さえられる
- 先に買い注文を出しても、売りの現金が足りなくなるだけ
- 増担保でない銘柄なら、代用でまかなえて現金は買いに使える
※本記事は情報提供を目的としており、投資・金融商品の購入を勧誘するものではありません。最終的な判断はご自身の責任のもとで行ってください。