公開日:2026年10月31日
SBI証券の特定口座で、株を売って損が出ました。明細を見ると、今年の売却益で引かれていた税金は、損が確定した日(受渡日)にすぐ戻っていました。
ところが、配当で引かれていた税金は、損がまだ残っているのに戻っていません。同じ口座の中の損なのに、なぜタイミングがちがうのか調べました。
結論
・売却益の税金は、売るたびに「今年の合計」で計算し直すので、損が出たらすぐ戻る
・配当との差し引きは、年末にまとめて計算する仕組み。戻るのは翌年の1月ごろ
・配当と差し引きできるのは、配当を証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」のときだけ
・差し引きできるのは、同じ証券会社の特定口座の、同じ年の分だけ
2種類の税金で、戻るタイミングがちがう
| 相殺する相手 | いつ計算する | 税金が戻るタイミング |
|---|---|---|
| その年の株・投信の売却益 | 売るたび | 損が確定した受渡日 |
| その年の配当 | 年末にまとめて | 翌年の1月ごろ |
売却益の分:売るたびに計算し直す
特定口座(源泉徴収あり)では、証券会社が「今年の売却益の合計」をずっと計算しています。売るたびに合計を出し直して、税金を引いたり、払いすぎた分を返したりします。
なので、先に売却益で税金を払っていて、あとから損が出ると、その日のうちに合計が減って、払いすぎた分が戻ります。SBI証券の明細では、受渡日の行に「譲渡益税還付金」と出ていました。
配当の分:年末にまとめて計算する
配当の税金は、配当をもらったときに、まず全額(20.315%)引かれます。売却の損と配当を差し引きする計算は、その年の最後にまとめて行う決まりです。
年末の時点で「売却の損益の合計」がマイナスなら、そのマイナスと配当を差し引きして、払いすぎた配当の税金が戻ります。戻るのは年が明けてから(1月ごろ)です。
例で見ると
| 金額 | 税金 | |
|---|---|---|
| 今年の売却益 | 10万円 | 約2万円を払った |
| 今年の配当 | 5万円 | 約1万円を払った |
| あとから出た損 | ▲13万円 |
- 損が確定した日:売却益10万円と損13万円が差し引きされて、売却の合計は▲3万円。売却益で払った約2万円がすぐ戻る
- 年末:残りの▲3万円が配当5万円と差し引きされる。配当の税金のうち約6,000円(3万円×20.315%)が翌年1月ごろ戻る
損が売却益より大きくても、配当がある年なら、年末の差し引きで残りを使えます。年内に出た損がむだになるわけではありません。
配当と差し引きするための条件
- 特定口座(源泉徴収あり)で株を持っていること
- 配当の受け取り方が株式数比例配分方式(証券口座で受け取る)になっていること。銀行振込などで受け取る方式だと、証券口座の中で差し引きされない(配当金の受取方法を銀行振込にすると損)
- NISA口座の配当は、もともと税金がかからないので対象外
- 差し引きできるのは、同じ証券会社の特定口座の、同じ年の分だけ
ちがう証券会社どうしの損益を合わせたいときや、損が配当より大きくて翌年以降に繰り越したいときは、確定申告が必要です。
ポイ娘のひとこと:損が出ているのに、配当の税金が年明けまで戻ってこないのは納得できません。投資信託を売って出た利益なら、損と同じ年のうちにすぐ差し引きされて、税金もすぐ戻ります。これも、税金の面で投資信託が高配当株より有利な点だと思います。
まとめ
- 売却益の税金は、損が確定した受渡日にすぐ戻る
- 配当との差し引きは年末にまとめて。戻るのは翌年1月ごろ
- 配当と差し引きするには、株式数比例配分方式にしておく
- 差し引きは同じ証券会社の特定口座の中だけ
※本記事は情報提供を目的としており、投資・金融商品の購入を勧誘するものではありません。最終的な判断はご自身の責任のもとで行ってください。